ホテルの部屋に入った途端、私はドアに縫いとめられた。噛み付くように与えられた1年ぶりのキスは、次第に激しさを増し一気にカラダを熱くした。

 着ていたコートはドアのそばに落とされ、マキシ丈のシャツワンピースは羽織ものと化している。

 私はネクタイを緩める鷹也の手の下に自分の手を滑り込ませた。

 ワイシャツのボタンを1つずつ外すのがもどかしい。早く、触れたのだ。鷹也の肌に。

 肌を求めながらも、唇はお互いを求めていた。まるで離れてしまうと息が出来なくなってしまうかのように。

「……んァッ」
「杏子……手、後ろにまわして……」

 熱くなった鷹也の首に手を回すとフワッと身体が持ち上がった。

 まだ一度も目にしていなかった部屋の中にはダブルベッドが1つ。

 運ばれ、ドサッと落とされるやいなや鷹也はワイシャツを自分で脱ぎ捨てた。
 そして再び落とされるキス。
 
「杏子に飢えてた……」
「んんっ……たかや……」
「……今日、寝かさないから。覚悟しろよ」



 ◇ ◇ ◇