「クリスマスにラーメンて似合わないね」
「おまえが喰いたいって言ったんだろ?」
昼食にも食べたラーメンを太郎さんと食べる。
クリスマスにラーメン屋さんに来るお客さんはさすがにいないらしく、
ガラリと空いたカウンター席に二人で肩を並べた。
クリスマスと太郎さん
クリスマスとラーメン
ミスマッチだらけだけど、
なんだか胸の中があったかくて
背中もあったかくて
幸せな気分だった。
「ねえ、太郎さんてサンタクロース信じてた?」
「信じたことないよ。
俺んちオモチャ屋だから、昔っから現実的だった。
クリスマス前になるとオモチャの仕入れで両親がよく話し合ってたし」
「ふぅ~ん。
あっ、けどオモチャ屋さんの子供だから、クリスマスはどんなオモチャでも手に入ったでしょ?」
「ま~ね。けど一度だけ貰い損ねたものがある」
「何? どんなオモチャ?」
「スノードーム」

