クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~



太郎さんの車に乗った私は、


さっきより太郎さんを近くに感じ、

さっきより鼓動が速くなっていた。



だって

太郎さんの顔が近いんだもん。


運転している太郎さんと助手席にいる私との距離は数十センチ。



なのに、胸の音が聞こえちゃうんじゃないかっていうくらい近くに感じた。




「太郎さん、運転大丈夫なんですか?」

「なんで?」

「だって、今日はメガネをかけてないから」



そう。

太郎さんがトナカイの顔を外した時から気になってた。



あのダサい眼鏡はどこにいったの?


太郎さんの瞳は

こんなに綺麗だったの? って。




だからかな……?

だからなの……?


太郎さんの瞳を真っ直ぐに見ることが出来ないのは……。