段ボールの底で眠っていたオモチャは、薄汚れてたけど壊れてはいなかった。
ティッシュで磨きオルゴールを鳴らしてみると、あの頃と同じように白い雪が綺麗に舞い上がった。
「きれい……」
自然と呟いていた。
あの男の子からもらったわけじゃないのに、なぜかオルゴールを鳴らすと男の子の顔が頭に浮かんできたあの頃。
ずっと大切にしてたんだ。
だけど、知らず知らずのうちにオモチャは私の手元から消えて、
あの男の子の記憶も薄れていた。
あの不思議な想いと一緒に……。
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