「よかった」 肩をすくめて白い息を吐いた翼君。 私は真っ赤な顔で翼君に見惚れた。 「じゃあ、明日。 風邪ひどくならないように早く寝るんだよ」 「うん、ありがとう」 きゃ~~。 『寝るんだよ』 だって。 なんだか彼氏って感じがして、嬉しくて胸が締めつけられる。 「おやすみ」 「おやすみなさい」 翼君の姿が角を曲がって見えなくなるまで見つめ続けた。