ふわぁ、眠い…。
ホームルーム中の先生の目を盗んであくびをする。
昨日の夜ドキドキしすぎて全然寝れなかったんだよね。
みんなも中々眠れなかったのか、修学旅行の朝なのにいつもより雰囲気がゆるい。
隣の席に座っている優くんもそのひとり。
両手で頬杖をつき、しっかりと目を閉じている。
まぁ、優くんが寝るのはいつものことなんだけどね。
修学旅行について、とかいう先生の長い話を聞きながら、わたしの意識は完全に隣へ。
目つむってるんだもん、バレないバレない。
わたしはここぞとばかりに優くんを見つめる。
やっぱりかっこいいよなぁ。
キメ細かく整った肌に切れ長の目。
真顔はいつも眠たそうなのに、笑うと優しい笑顔になる。
スっと通った鼻の下には綺麗な薄い唇。
…キスしたことくらいあるんだろうなっていうのは考えないでおこう。
ひとりで悶々していると、見つめていたその唇の口角が少しだけ上がった。
え?
ゆっくりと目を開けて前を見る優くん。
そんな仕草さえもかっこいい、とか思いながら見つめ続けていると。
ーーーバチッ
優くんの瞳がわたしをとらえた。
ということはつまり、優くんと見つめあってるわけで。
嘘…!?
わたしはサッと目を逸らして先生の方を向いた。
見てたのバレたかな。
いやたまたま目が合ったってことにしとこう。
うん、いける。
確信をもったわたしは優くんの様子を見ようと、もういちど優くんの方を見た。
ーーーバチッ
「っ、」
また2人の視線が絡まる。
そらせ、ない。
すると優くんがゆっくりと口を開き、小声で甘くささやいた。
「見ーすーぎ」
ーーードキッ
自分の心臓の音がうるさい。
優くんの目が、声が甘い。
完全にキャパオーバーしているわたしを見て、優くんはフッと笑った。
「ホームルーム終わったよ」
「……へ!?」
驚くわたしをよそに優くんは質問を続ける。
「ねぇみゆ、修学旅行楽しみ?」
「あ、うん、すっごい楽しみだよ」
「僕も。てかみゆと同じ班なの僕けっこー楽しみだよ。口うるさい男子はひとりいるけど」
「口うるさい男子、は委員長のことかぁ」
「ねぇ、僕が聞きたいのそれじゃないのわかってるでしょみゆさん。僕と一緒なの楽しみ?」
そう言いながら優くんは立ち上がって、わたしの机に手をついた。
2人の距離が一気に近くなる。
「っ…、わたしも優くんと一緒の班なの、結構というかだいぶ、めっちゃ、とにかく楽しみだよ。あ!桜が待ってるみたい。じゃ、あとでね!」
優くんから目をそらせないまま早口で言ったわたしは、バタバタと荷物を抱えてその場から逃げるように立ち去った。
ホームルーム中の先生の目を盗んであくびをする。
昨日の夜ドキドキしすぎて全然寝れなかったんだよね。
みんなも中々眠れなかったのか、修学旅行の朝なのにいつもより雰囲気がゆるい。
隣の席に座っている優くんもそのひとり。
両手で頬杖をつき、しっかりと目を閉じている。
まぁ、優くんが寝るのはいつものことなんだけどね。
修学旅行について、とかいう先生の長い話を聞きながら、わたしの意識は完全に隣へ。
目つむってるんだもん、バレないバレない。
わたしはここぞとばかりに優くんを見つめる。
やっぱりかっこいいよなぁ。
キメ細かく整った肌に切れ長の目。
真顔はいつも眠たそうなのに、笑うと優しい笑顔になる。
スっと通った鼻の下には綺麗な薄い唇。
…キスしたことくらいあるんだろうなっていうのは考えないでおこう。
ひとりで悶々していると、見つめていたその唇の口角が少しだけ上がった。
え?
ゆっくりと目を開けて前を見る優くん。
そんな仕草さえもかっこいい、とか思いながら見つめ続けていると。
ーーーバチッ
優くんの瞳がわたしをとらえた。
ということはつまり、優くんと見つめあってるわけで。
嘘…!?
わたしはサッと目を逸らして先生の方を向いた。
見てたのバレたかな。
いやたまたま目が合ったってことにしとこう。
うん、いける。
確信をもったわたしは優くんの様子を見ようと、もういちど優くんの方を見た。
ーーーバチッ
「っ、」
また2人の視線が絡まる。
そらせ、ない。
すると優くんがゆっくりと口を開き、小声で甘くささやいた。
「見ーすーぎ」
ーーードキッ
自分の心臓の音がうるさい。
優くんの目が、声が甘い。
完全にキャパオーバーしているわたしを見て、優くんはフッと笑った。
「ホームルーム終わったよ」
「……へ!?」
驚くわたしをよそに優くんは質問を続ける。
「ねぇみゆ、修学旅行楽しみ?」
「あ、うん、すっごい楽しみだよ」
「僕も。てかみゆと同じ班なの僕けっこー楽しみだよ。口うるさい男子はひとりいるけど」
「口うるさい男子、は委員長のことかぁ」
「ねぇ、僕が聞きたいのそれじゃないのわかってるでしょみゆさん。僕と一緒なの楽しみ?」
そう言いながら優くんは立ち上がって、わたしの机に手をついた。
2人の距離が一気に近くなる。
「っ…、わたしも優くんと一緒の班なの、結構というかだいぶ、めっちゃ、とにかく楽しみだよ。あ!桜が待ってるみたい。じゃ、あとでね!」
優くんから目をそらせないまま早口で言ったわたしは、バタバタと荷物を抱えてその場から逃げるように立ち去った。