唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています

「照れてるのか?可愛いな」


「恥ずかしくはないけど、早く拘束を解いて」


「俺がお前の顔を見たいんだ。だから、離さない」


「へ、変態っ」


「キスしたくなった」


「なんで?」


「あまりにも俺を誘うような顔をするから」


「誘ってなんか……」


「俺の理性は限界だ」


「雷雨様。んっ……」


「ん。雪璃の唇は甘いな」


「め、面と向かってやめてくれる?」


真剣に雷雨様の言葉を聞いていたら、こっちの心臓がもたない。右から左へと聞き流すのよ、私。


「本当のことだから仕方ないだろ。それに、雪璃が可愛いのが悪い」


「私が?」


「雪璃が可愛すぎて口説かずにはいられない」


「他の子にも同じようなこと言ってるんでしょ?」


「嫉妬か?」


「違うわ。……本気じゃないなら、付き合うのやめたら?相手の子も可哀想よ」


「ヴァンパイアの魅了で寄ってくるから仕方ないといえば仕方ない。それに、エサがあっちから来てくれるなら、こっちとしては好都合だろ?」


「チャラ男じゃなくて、ゲス男だったわね」


「そんな男と契約したのは、どこの誰だ?」


「……」


言い返せないのがちょっぴりムカつく。

そうよ、私は雷雨様に惚れてる。そうじゃなきゃ、ヴァンパイアと契約なんてするわけない。