唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています

「っ……雷雨、様」


「雪、璃……」


放課後とはいえ、図書室に人はそれなりにいる。けれど、私たちの場所は見つかりにくい。


最初は、まわりのことを気にしていた私だけど、今は気にならなくなった。

聞こえるのは、雷雨様の吸血の音と、私が雷雨様にしているキスの音。


噛み付くようにキスをすると雷雨様の首筋にキスマークがつく。


私の大切な人って証拠。きっと明日には消えてしまうけど、今だけは満足感に浸っていよう。


「結局、声我慢出来なかったな」


「う、うるさい」


「雪璃。キスが上手くなったな」


「っ!雷雨様に比べたら、全然上手くないわ」


「やっぱりこの前のこと怒ってるのか。悪かった。けど、今日のキスは気持ち良かったぞ」


「……っ。なんで、貴方はそういうことをへーきで言えるのよ!」


こっちは一生懸命で色々いっぱいいっぱいだったっていうのに。