唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています

「これだと吸血が出来ねぇな」


「わ、私が雷雨様の首筋にキスしてる。それなら、雷雨様は私に吸血できるでしょ?」


自分でもすごい提案をしたと思ってる。雷雨様もビックリして引くかもしれない。


「雷雨様がどこにも行かないように印をつけるの。私は吸血鬼じゃないから噛めないけど、雷雨様の真似をする。……だめ?」


雷雨様があまりにも私を求めるから。ここは学校で勉強をするはずの場所なのに、私も大胆になってしまう。

雷雨様がいけないんだから。


「お互いに吸血ごっこってことか?」


「そうよ」


雷雨様の場合は、ごっこではない気もするけど。


「わかった。ほら、つけてみろ。前にキスは教えたから少しは上手くなってるだろ?俺が逃げないように印をつけてみろ」


「望むところよ」


強気に出ても、勝敗は最初からわかっているのに。何を張り合う必要があるのか。でも、何故か雷雨様にだけは負けたくないって思うの。

以前のデートでキスが下手って言われたから。今度は見返したい。雷雨様に少しでも喜んでほしいから。

私のこと、もっと好きになってほしいの。