唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています

「ん……」


何度も吸血はされているはずだから慣れているはず、なのに……。

声を抑えようとしても、油断したら出てしまいそうになる。


雪璃(せつ)、可愛い」


「早く、おわらせて」


涙目になる私。けれど、雷雨様はやめてくれない。


私が雷雨様のことを好きなのがバレてるから、こんなことしても嫌いにならないのがわかっているんだろう。


でもだからって、続けないで。おかしくなる。


「雪璃の血、今日も甘いな。もっと、欲しい」


「っ……!」


さらに深く突き刺さる牙。痛いだけじゃない。


雷雨様が赤い瞳で私をジッと見つめるから。

だから、私も思わず応えてしまいそうになるの。


後ろからでも視線は感じる。今は目を合わせないほうがいい。目線を合わせてしまったら、今度こそ逃げられなくなる。


「雷、雨様……あっ……」


「雪璃。声が漏れてるぞ。いいのか?他の奴らに聞かれても」


「い、やだ」


「俺も嫌だ。だから、こっち向けよ」


「ぇ?……んっ!?」


体制を変えられ、キスをされる。