唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています

「降りるときは危ないから。ほら、手。俺のお姫様、観覧車での指導はどうだった?」


「……し、知らないっ!」


お姫様扱いされ、手を差し出された。もちろん、手は握ったけれど。


さっきのことが頭から離れなくて、私の恥ずかしさは限界を超えていた。


「あれ?雪璃(せつ)、また不機嫌になってる?」


「降りるときにあんなこと言わないで。人だっていたでしょ!?」


「ようは恥ずかしかったってことか。雪璃の機嫌がなおってなによりだ」


「頭なでないで。髪が乱れるからっ」


「ベッドの上では髪だけじゃなく、身体も乱れるのに?」


「なっ!」

耳元で囁かれたのはまたしてもセクハラすぎる言葉。


「そ、そんなことするつもりないからっ!」


「いつもの可愛い雪璃が見れて俺も幸せ。たまにはそうやって肩の力抜いて、俺と対等に話してみろよ」


「そ、それは……」


「家の者に見つかると厄介だから、二人きりのときに、なっ?」


「か、考えておく」


「ああ、楽しみにしてる。雪璃、今日のデートは楽しかったか?」


「楽しかったわ」


「!」


「なによ、その顔」


「いや、あまりにも雪璃が素直だったからビックリしただけ」


「……素直な私は嫌い?」


「嫌いじゃない。むしろ、どの雪璃だって好きだ。俺は雪璃の全部が知りたいって思うぞ」


「あ、ありがとう」


今だけは素直になってあげる。いつもツンデレだと雷雨様だって嫌な思いをするかもしれないし。


でも、きっと雷雨様は素直になれない私も含めて、わたしのことが好きなんだろう。

いつも伝わってくるから。だから、私も素直になれなくても大丈夫って思うんだ。雷雨(らいう)様はわかってくれているから。