唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています

「血を吸う相手を探して声がけしてるんだが、相手には俺の正体がバレてることが多いんだよな。カッコよすぎるっていうのも考えものだな」


「……」


「雪璃。なんだよ、その目」


「惚れそうになった私がバカだったなって」


「ひどくね!?」


「たしかに雷雨様は見た目はそれなりに見られる顔をしてますけど、問題はそこじゃないと思いますよ。おそらくですけど、西園寺家の長男として度々インタビューやらテレビに出てるから顔が知られてるんじゃないかと」


「そっちかー。高校生になったからって親父が俺の顔を出したがるんだよなー。つか、見られる顔ってなんだよ」


「言葉通りの意味です」


「契約したからにはお前だって多少は俺のこと好きだと思ってたのにな。……この顔じゃ不満か?」


「っ……!ふ、不満よ」


「なぜに!?」


カッコよすぎたら他の子に奪われるかもしれないじゃない。今は私だけを見てくれるけど、普段はチャラ男なんだから。


放し飼いにしたらフラフラどこに行くかわからないし。いっそのことマスクにメガネでもかけて変装でもしてもらおうかしら。