唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています

「そりゃあ、そうだろ」


「え?」


「あれ、俺と同族だし」


「そ、そうなの?でも、そんな証拠どこにも……」


「匂いが同じだし。同族は見ただけで、大体わかる。強さが上だと隠すのも上手いから、一瞬じゃわかんないけどな」


「そうなんだ……」


だから、あんなに美人なのね。雷雨様もそうだけど、ヴァンパイアは美形揃いが多い。

雷雨様にとって、私はどう映っているのだろう?


ってよくよく考えたら、ヴァンパイアが経営してるなら働いてる人も大抵がヴァンパイアのはず、よね。


「そんなことより食おうぜ。ほら、あーん」


「ら、雷雨様!?」


ガタッ!と思わず席を立ってしまった。

びっくりした。雷雨様が私に食べさせるとか、どういうつもりなの?


立場上、下の者にこんなお姫様みたいな扱い……。
嬉しいけど、素直に受け取っていいものか。