唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています

「ノーマルのハンバーグとチーズハンバーグでいいよな?」


「えぇ、それで大丈夫」


私がお手洗いに行ってる間に頼んでくれてた。しかも、私の好みまで把握してるし……。


「遊園地にメイド服ってのも悪くないが、次に来るときは私服でも買ってやるよ」


「そこまでしていただくても大丈夫です。そもそも専属メイドなので、学校でもこの服装ですし」


決して義務付けされているわけではない。

ただ、人間と認識されるために、あえて学校ではメイド服なのだ。それに、西園寺家のメイドとして、「制服はあまり好ましくない」と旦那様からも言われているし。


「デートする時は親父も何も言わないだろ」


「メイドとして主人である雷雨(らいう)様を守るという意味でも、このメイド服は戦闘服みたいなものなので」


「戦闘服ねぇ〜。そんな長い服よりもミニスカのほうが戦いやすくね?」


ククッと口元を押さえながら笑う雷雨様。


私、なにかおかしなこと言ったかな?


「な、なんで笑ってるの?」


「雪璃は男らしいなぁ〜って思って」


「また、それ?」


起こしに行った時も似たようなことを言われた気がする。もしかして私、女としての魅力ないんじゃ……今更ながら不安になってきた。