唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています

「これが普通です。雷雨様とお出かけするのは私も楽しみですよ」


「……!」


「でも、授業はしっかり聞いてくださいね?それが条件です」


「わかった。可愛い雪璃からの願いなら断れないな」


「っ」


チャラそうに見えて、実はしっかりと頭がいいとか反則だといつも思う。

これがハイスペックのヴァンパイア……。


「今日は普段とは違うデートをしよう。雪璃が絶対喜ぶところ」


「き、期待しないで待ってるわ」


「あぁ、楽しみにしてろ」


フッ。と笑われた。本当は私が雷雨様とのデートを楽しみにしていることがバレたんだ。雷雨様だからこそ、私の小さな変化でも気付けるんだろう。


☆   ☆   ☆

「学校、何気に眠かったなぁ〜」


「あれだけ昼間に寝ていたのに……」


数時間の授業を終え、今は帰り道。


「あそこは執事に教えてもらったとこだし、今日は復習みたいなもんだった」


「そうですか」


ようは授業が退屈だったってことね。やっぱり、私とは頭の出来が根本から違うんだろうなぁ。


「これから雪璃とデートだし、楽しみすぎて目が覚めてきた!」


「さっきまで寝てたみたいな言い方ですね」


「雪璃の約束は守ったぞ。寝ずに先生の話を聞いた」


「寝ないのは当たり前でしょう?……まったく、雷雨様は仕方のない人ですね」


思わず笑みがこぼれてしまう。