唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています

「雪璃に触れてたら学校サボりたくなった」


「どういうこと?」


「このまま雪璃とイチャイチャしたいなって」


「だめ」


「ちょっとくらいいいじゃん。今のところ出席日数は大丈夫だから〜」


「……」


さっきまでイケメンだと思ってたのに、ダラけるとすぐにいつもの雷雨様に戻っちゃう。少し勿体ない気もするけど、こっちの雷雨様はなんだか放っておけない。


「雪璃、怒った?」


「怒ってません」


「雪璃がクールメイドに戻った〜!今日は雪璃とデートに行こうと思ってたのに」


「デート?」


「嬉しい?」


「嬉しいか嬉しくないかで言えば嬉しいですが、それよりも学校が先です」


「雪璃は真面目で堅苦しいなぁ。いーよ。なら、学校が終わったらデートしよ?」


手を差し伸べられた。気付けば拘束されていた手が自由になっていた。あれだけ強く握られていたのに、傷一つ残ってない。


女の子扱いしてくれたってこと?私だって人間では強いほうなのに。

こういうとき、雷雨様がヴァンパイアなんだと改めて実感する。