唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています

「雪璃は欲がないからな。たまには強欲になってもバチは当たらない」


「でも、私はメイドだから。立場で言えば主人である雷雨様のほうが権限をもってて……」


「そんなの関係ない。俺にとって雪璃はただのメイドである前に一人の女だ。俺はお前のことが好きだから契約をした。人間に恋心を抱く時点でも禁忌とされていた時代があった。なら、俺だってお前と同じようにバチが当たるんじゃないのか?」


「そんなこと、ない。雷雨様は何も悪くない!ただ、私が唯一だったから。だから仕方ないの」


「それなら俺と同じだ。雪璃も俺が好きだから、束縛をする。なっ、お前は悪くないだろ?」


「雷雨様……」


まるで神様みたいな人だ。私が悪いことをしたと思っても、叱ったりしない。それは悪くないと言ってくれる。普通のことだと諭してくれる。


私にとって、雷雨様は眩しすぎる。こんな優しい雷雨様だから、私は彼のことを好きになったんだ。