唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています

「唯一の血の私がいるなら、他の子の血は吸えないんじゃないの?」


「それはヴァンパイアによって違うからなぁ〜。俺の家系は特に毎日大量の血を飲まなきゃ死ぬ」


「私の勉強不足だったわ。ごめんなさい」


「謝る必要はない。雪璃は悪くないんだから」


「でも、私が他の子の血なんか吸うなって、ヤキモチみたいなことを言って、貴方を困らせたから。あ……ち、違うの!」


「やっぱり妬いてくれてたんだな。雪璃が嫌だっていうなら出来るだけ他の女の血は吸わないようにする」


「そんなことしたら雷雨様の身体に負担がかかる。
だから吸っていい。遊んだっていい。けど、最後は私の元に帰って来るって誓って?」


メイドのお願いを聞けだなんて……。

そんなことが許されていいのだろうか。


「わかった。俺は何があっても必ず雪璃(せつ)の元に戻ってくるから。……これでいいか?」


「うん、ありがとう」


いつの間にか抱きしめられていた。
あたたかくて、落ち着く匂い。