首なし人には、首もないし頭もない。 何時から無いのかはわからない。 首とは一体何なのか?それもわからない。 だから、毎晩首を探す。 首さえ手に入れば、それがわかると思ったから。 夜が白む少し前。 首なし人が山道を下る。 右手には鎌、左手には酒。 腰にぶら下げた革袋には塗り薬。