性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

どこでもないどこかをボーッと見つめながらそうこぼす東雲碧。


「夢?」


急に何の話?


「お前に“碧くん”って呼ばれる夢」


………。


「それ、夢じゃないかも」


咄嗟に呼んだ記憶がある。


自分でもよく分かってないけど、なぜか呼んでしまった。
 

気が動転してたせいかな。


「エレベーターから家まで連れてきてくれたのも?」


「それは絶対に夢じゃないね」


なんだ、覚えてるんじゃん。


記憶無くしたのかと思って心配してたのに。


「…なんで?」


「なにが?」


「なんで助けてくれたわけ」


ようやく目が合った。


「……なんでって…」


そんなに真っ直ぐ見つめられると、心臓がもたないというか、なんというか…。


な、てか、なんで私こんなに緊張してんの?


おかしい、おかしい。


緊張するなんて変だ。


「人助けに理由なんてないっ。以上!」