性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

東雲碧の視線がかすかに揺れる。


「普通の世界ではさ、体調悪かったら休めるよ?だってまだ高校生じゃん。休んでいいんだよ。なのに―」


「芸能界は普通の世界じゃない。明日はどうしてもリスケできない仕事だから、しょうがない」


そんな力ない目で言われても、説得力ないよ…。


本当は休みたいんじゃないの?


さっきからずっとフラフラしてるのに、明日仕事?


ありえないよ。


「寝たら治る。だから心配すんな」


「……うーん…」


本人の意思を尊重すべきだよね…。


でも…。


「あっちの寝室に救急箱置いてるから、取ってきてほしい」


…さっきに比べて発話もちゃんとしてるし、意識もハッキリしてそうだから、本当に寝たら治るのかもしれない。


「どんな箱?」


「入ってすぐ右の棚の上に置いてる、木の箱」


「わかった」