性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

電話を切り、東雲碧の方を振り返ると、弱々しい視線をこちらに投げかけていた。


「ごめん、うるさかったよね」


「…別に。……大好きなパパと喧嘩していいの?」


「…パパが私の知ってるパパじゃなかった」


知らない人だった。
 

パパにもあぁいう一面があるんだ。


「…お前の知ってるパパはどんな人?」


上体を起こす東雲碧。


少しは回復したんだろうか。


「…優しくて、私のことを1番に考えてくれる人」


“パパにとって、親バカは1番の褒め言葉なんだよ”


そう言ってたのが印象に残っている。


「社長は、タレントのことを無下にしてるわけじゃない。社長にとって事務所が大切だから、事務所のためになることを1番に考えてる。同じじゃん。お前のことが大切だから1番に考えてるのと、同じ」


「…東雲碧はなんとも思わないわけ?こんなにしんどいのに、明日朝から仕事だよ?」


「そういうもん。俺が生きてる世界は、そういう世界」


「それで割り切って本当にいいの?」