性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

……。


それが芸能界なの…?


パパは、こんな世界で社長業してるの…?


あ、そうだ、パパに連絡しなきゃ。


『もしもし』


「東雲碧、無事に家着いたよ。でも、すごく苦しそう」


『そっか。とりあえず一晩寝かせといて』


「いや、でも、病院行ったほうが…」


寝て治るような軽症じゃない。


『病院は明日の仕事終わりに行かせるから』


「え……」


パパの冷たい声。


…パパというより、社長。


なんだか、知らない人と話してる気分…。


『明日は大事な撮影だから』


「…仕事より東雲碧自身のほうがよっぽど大事じゃないの?」


『希々花は口出ししなくていい。俺とマネージャーと碧本人の判断』


……おかしい。


そんなの、あんまりだ。


「東雲碧のこと、もっと大事にしてよ。なんでそんな酷い扱いするの?」


一ノ瀬愁斗のことだってそうだ。


パパが本人やファンのことを考えずに解散させたから、今もまだ東雲碧は苦しんでる。


「少しはタレント本人の気持ちや身体のことも考えてよ!」


『そんなことばかり優先してたら、何も創れなくなる。のんちゃんの言いたいこともわかるけど、そういう世界だと思って』


「“そんなこと”?…パパ、酷いよ」


『そうかもな。希々花には悪いけど、俺はそういう考え方だよ』


……これが、社長としてのパパなんだ。 


知りたくなかった。


「…わかった。じゃあね」