性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

「もう少しでお部屋だよ。鍵どこにある?」


何か言おうとしている素振りはあるけど、話すことすらツラそうで言葉は聞こえない。


「カバン、勝手に漁るね」


東雲碧の手からカバンを奪い、ガサゴソと探る。


無抵抗な彼を見ていると本当に心配になる。


いつもなら絶対に嫌がるのに。


「あったあった」


高級ブランドのキーケースだから、一目でわかった。


何種類か鍵がぶら下がっているけど、たぶん私のと同じやつだよね。


端から二番目の鍵を差し込んで解錠する。


「着いたよ。靴脱げる?」


「…大丈夫」


ふらふらしながら靴を脱ぎ終わるや否や、バタンっと玄関に倒れ込んでしまった。


「碧くん!!」


ど、どうしよう。


「きゅ、救急車…!」


救急車って何番だっけ!?


119でいいっけ!?


てかスマホどこいった!