この階にはいなさそうだ。


あとはエレベーター。


エレベーターホールにもいない。


エレベーターの中か、1階のロビーか。


とりあえずロビーに行ってみよう。


「東雲碧…大丈夫かな…」


働きすぎなんだよ…。


―チンッ


ちょうどいいタイミングでエレベーターが到着。


「えっ!?ちょっ、大丈夫!?」


扉が開くと同時に、エレベーター内に座り込んで動かない東雲碧の姿を発見。


え、どうしよう。


どうすべき?


「東雲碧!聞こえる?わかる?エレベーター着いたよ!」


【開】ボタンを長押ししながら東雲碧を揺さぶる。


意識はかろうじであるのか、微かに声が聞こえた。


「24階、着いたよ。立てる?」


「…なんで…お前が……」


ヨロヨロと立ち上がり、エレベーターから降りる。


「あぁ、ちょっと!ほら、掴まって。一人で歩いたら危ない」


嫌そうな顔をしながらも体調不良には勝てないのか、素直に身体を預けてくれた。


ゆっくり、少しずつ、歩いては止まり、歩いては止まり、を繰り返す。