―♪♪♪


「あ、パパだ。珍しい…」


パパから電話かけてくるなんて、どうしたんだろう。


「もしもしー?」


『急にごめんねー。お隣さん、帰ってきてる?』


「お隣さん?」


『碧』


…知らないよ、東雲碧が帰ってきてるかなんて。


興味ないし…。


「知らなーい。なんで?」


『体調不良で早退して、マネージャーがマンション下まで送り届けたんだけど、家着いたか聞いても返信返ってこないらしい』


「えぇっ」


まさかマンション内で倒れてる?


『一応インターホン鳴らしてみてくれない?』


「う、うん。わかった!」


え、東雲碧大丈夫かな。


体調不良って、そりゃあんだけ働いてたらそうなるよね。


急いで部屋を出て隣のインターホンを押す。


ピーンポーン…


………。


『碧いない?』


「うん。反応ない。とりあえずマンション内見てくるよ。また連絡する」


『ごめんね、ありがとう』


「はーい」


スマホを部屋着のポケットにしまい、グルリとフロアを見回す。