性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

こうやって見ると、腕細いなぁ。


ちゃんと食べてんのかね。


色も白いし、不健康すぎない?
 

大丈夫?


指もスラッとしてて綺麗だけど、今にも折れちゃいそう。


なんなら腹いせに折ってやろうかな。


「まぁ、はい。時々報告はします。はい。お疲れ様でーす」


電話が終わったらしい。


押さえられていたおでこも解放され、ようやく静寂が訪れた。


のも束の間。


「のんちゃんに何かあったら碧が助けてやって、だとさ。ふざけんじゃねぇ。なんで俺がお前を助けなきゃいけねぇんだ」


キャップを外して髪を掻きむしる東雲碧。


金髪のサラサラヘアからは甘いいい匂いが漂ってくる。


ほどよくウェーブした髪は耳より下まであり、長い前髪で片目は隠れている。


ついでにサングラスも外し、胸元に引っ掛ける。


うわぁ……


本当に東雲碧だ…。


切れ長の眼にグレーの瞳、長くてふさふさのまつ毛、細めに整えられた眉、スッと通った鼻筋。


不満げに下がっている口角以外は、テレビで見たことがある東雲碧そのもの。


こんなイケメン、現実に存在してるんだ。