性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

「ねぇパパ!!愛娘が男に乱暴されてるんだよ!笑ってる場合じゃないから!」


「やめろその言い方!誤解を生むだろうが!」


スマホを右へ左へぶんぶん振り回して東雲碧を撹乱するも、身長差で圧倒的に不利なためあえなく撃沈。


簡単に奪い返されてしまった。


「あっつい…。春なのに汗かいた。最悪」


「おめーが悪いんだよ。ったく」


東雲碧は汗ひとつかかず涼しい顔してスマホを耳に当てる。


なんか悔しい。


「あ、社長。お騒がせしてすみません」


「パパー!東雲碧は私の身体をベタベタ触って無理矢理スマホを奪ったんだよーっ」


「触ってねぇ!静かにしろ!」


まぁ腕と手以外触られてないけど。


セクハラ野郎ってマスコミにリークしてやろうか。


でもそんなことしたらパパが困るか。


ムカつくな。


「はい。あー、はい。あーーーーーー。まぁーわかりました。善処はします」


東雲碧に近づこうとしたけど、おでこを大きな手のひらで押さえられ、それ以上近づけなかった。