性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

しかも偶然じゃなくて仕組まれてたの!?


いやでも待って!


「あのスーパーアイドルがこんな性格悪いわけなくない!?絶対嘘だよ!!」


「あ!てめぇ!余計なこと言うなバカ!」


「ほら!聞いた!?めっちゃ口悪いんだけど!これのどこがアイドルなのよ!絶対この男は東雲碧じゃない!」


私が知ってる東雲碧は、もっと優しいはず!!


あの王子様スマイルはどこへ!?


『世間は知らないけど、碧は毒舌だからね。あんまり嫌がらず仲良くしてあげて』


「口が悪いと毒舌を混同してない?この人は私をバカだのブスだの―」


「うるせぇ黙れマジで!スマホ返せ」


東雲碧らしき野郎が慌ててスマホを奪い返そうとしてくる。


全身を使っててスマホを死守しても、東雲碧は容赦なく腕を掴んでくる。


「きゃー!セクハラー!!」


「てめぇ!うるせぇ!」


スマホを巡る死闘を繰り広げていると、電話の向こうからパパの呑気な笑い声が聞こえてきた。