性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

社長の娘だと関わりづらいのかな。


あんまり気にしてほしくないんだけど。


「……まぁいいけど」


不機嫌を極めたお隣さんは、通話画面のスマホを渡してくれた。


画面には【社長】と載っている。


もしかして、この人もCBSの人なのかな。


まぁパパと話せばわかるか。


『もしもーし。碧から電話くれるなんて珍しい。どうしたー?』


ん????


今何て??


碧って言った?


「あ、もしもし、希々花だけど。今スマホ借りてて」


『あっ、のんちゃん?どうした?』


「谷さんの車にスマホ忘れちゃったんだけど、谷さんへの連絡手段がなかったからパパに連絡しちゃった」


『あぁ、ならパパから谷さんに言っとくから。すぐに新しい家に届けてもらう』


その件についてもいろいろ言いたいことはあるんだけど、一回待って?


「あのさ、パパ。このスマホの持ち主って…」


『え?知らずに借りたの?東雲碧だよ』


「えぇぇぇぇ!?」


『碧の隣の部屋が空いてるの知ってたから、敢えてその部屋借りた』