性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

は?キモ。


おこがましいわ。


名乗るまでグループ名も名前も知らなかったのに、幸せなわけあるか。


「私、貴方のファンじゃないので」


「えー、ひどい!でもそういうタイプのほうが燃えるんだよね」


なんなんだこの男…。


あとでパパに言いつけてやろうか。


「おい、朱沢」


背後から聞き慣れた低音が飛び込んできた。


振り向くと、私との初対面時よりもキツイ鋭い視線で朱沢ルカを睨みつける東雲碧がいた。


「碧さん…」


ようやく手を離してもらえ、思わず東雲碧の影に隠れる。


そんな私をチラっと見て、何か言いたげだけど、何も言わなかった。


昨日から東雲碧が警戒していたのは、こういうことだったのかな…。


「二度とコイツに絡むな」


「すみません、碧さんの彼女だとは知らなくて」


「そういう問題じゃねぇから。その女癖の悪さを早く直せっつってんだろ?ずっと」


……“彼女”、否定しないんだ。


前の東雲碧なら食い気味で否定しただろうに。