性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

少なくとも、東雲碧が素で話せる関係性であるのは間違いない。


「悪いけど、一旦自分の楽屋戻ってて。あとで行くから」


「えー、やだぁ。なんでみるくが待たされなきゃいけないのっ」


刺すような目つきで全身を舐め回すように見てくる。


“お前は碧に釣り合わない”


そう言われているような気がする。


「先客優先なのは当たり前だろ?」


「えっ、どうして?」


「お前なぁ……」


…東雲碧の素顔を知っているのは私だけだと自惚れていたけど、たった今現実を突きつけられた。


「とにかく、一旦帰れ。あとで行くから」


お前が出ていけと言わんばかりに、キッと睨みつけてくる前川みるく。


あぁ、この子はすごく性格が悪いんだな。


そして東雲碧はそんな子と仲が良いんだな。


なんだかガッカリだ。


「いいよ、私もう行くから。特に話すこともないし」


「いや―」


「ほらぁ、この子が出て行ってくれるってさ!優しいね!」


前川みるくがギュッと東雲碧の腕を掴んだ。


「ばいばぁい、また会えたらいいねっ」


目以外はとびきりの笑顔で手を振ってくる怖さ。


前川みるくは本当に性格が悪い。


…きらい。


前川みるくも嫌いだし、こんな子と仲良くしてる東雲碧も嫌いだ。