性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

八雲さんは表情を変えずに答える。


「社長が直々に」


「へぇ〜!!」


…パパの力だったんだ。


東雲碧が招待してくれたのかと、少し期待してたけど、そんなわけないよね。


あいつが私を招待するメリットなんてないし。


「こちらが楽屋です」


八雲さんが“東雲碧様”と書かれた楽屋の前で立ち止まった。


「私も入って大丈夫なんですか?」


実結が遠慮がちに八雲さんに聞く。


さすがの実結でも楽屋は緊張するのか、若干声が震えている。


「大丈夫です」


答えながらノックする八雲さん。


中から東雲碧の返事が聞こえた。


隣で実結がゴクリとつばを飲み込む。


「やばい、緊張する…」


「大丈夫だよ。きっと優しいよ?」


アイドルモードの東雲碧は優しいはず。


八雲さんがドアを開けると、ヘアセットをしてメイクもしている東雲碧がいた。


耳の上の髪を編み込んでいて、いつもとは違う雰囲気を感じる。


「やば……」


実結が言葉を失うのも分かる気がする。


あまりにも美しすぎて、どこかの国の王子様のよう…。