性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

キモいもんはしょうがねぇだろとブツブツ言いながらもこちらに歩み寄り、スマホを差し出してくれたお隣さん。


…意外かも。


絶対断られると思ってた。


「ありがとうございます」


受け取ろうとした瞬間、ヒョイッとスマホを真上に上げられてしまった。


「な、なに?」


「交換条件。今後俺をマンション内で見かけても声をかけないこと。家の中でギャーギャー騒がないこと。これを守るなら貸してやる」


「わかったわかった。もともとあんたに話しかけるつもりなんて微塵もないのでご心配なく!」


「ムカつく女」


「ふんっ」


いいもん。


この人にムカつかれようがどうでもいいもん。


とりあえずスマホさえ貸してもらえれば、この先関わることはないだろうし。