性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

ドアノブの上にもある鍵を開け、扉を引っ張ると今度こそ無事に開いた。


性悪お隣さんは絶望しているみたいだけど。


そんなの私には知ったこっちゃない。


「これでわかったでしょ?私はストーカーじゃない」


「頭が悪いお隣さんだもんな。疑って悪かった」


「ほんとに謝罪する気ある?」


「あるわけねぇだろ。挙動不審だったお前が悪いんだから。てか、ホントにここの住民なら、なんで下で立ち往生してたわけ」


「……それは」


オートロックの仕組みが分からなかったって素直に言うと絶対バカにされるよね。


よしっ、話を変えよう。


「スマホ貸してくれない?」


「は?なんで?」


「スマホを車の中に忘れちゃって。連絡手段がないの」


「ほんとバカなんだな。間違えて家燃やすなよ」


「……それは気をつける」


「否定しろよ。燃やす可能性あんのキモすぎ」


「そこまで言わなくていいでしょっ」