性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。

「ここが2403号室かぁ」


性悪クソ野郎は2404号室らしく、私のひとつ先の扉の前で止まった。


「お前、本当にここの住民なんだろうな。ストーカーじゃねーの?」


「しつこいなぁ!違うってば。私が持ってる鍵でここの部屋が開けれたら信じてくれる?」


「もはやストーカーであってほしいぐらいだけどな」


「なによそれ!ホント腹立つ」


残念ながらストーカーではありません!


シルバーの鍵を鍵穴に差し込み、右に回す。


ガチャっという音がしたので、扉を開く。


「あ、あれ?開かない」


ガタガタ引っ張っても開いてくれない。


ん?なんでだ??


「お前はバカか。上の鍵も開けないと開くわけねぇだろ」


「えっ、鍵って2つあるの?」


「今の家はだいたいそうだろ。どんなボロ屋敷に住んでんだ」


ボロ屋敷!?失礼な!!


鍵はいつもお手伝いさんが開けてくれるから知らなかっただけだもん!!


そんなことを言うと世間知らずなお嬢様って思われかねないから、言わないけど。