絶望の朝だ…今日も始まってしまった。まだ眠りから覚めたばかりの目を必死にあけ、キッチンへ向かう。簡単に3人分の朝ごはんを作り朝の支度を整えた頃。「ねぇ昨日と変わんなくね?この朝ごはん。ほんと鈍臭い」朝の挨拶もそこそこに妹の藤原 芹奈(ふじわら せりな)が起きてきた。「先におはようでしょ。ごめんね鈍臭い姉で」「あんたになんで挨拶なんてしなきゃなんないのよばかなの」はぁ、朝から気分最悪だ。
「あんた、誰に口聞いてるとおもってんのせりなちゃんになんかしたらゆるさないから」母も起きてきて双方から攻撃くらった。急いで片付け家を飛び出す。こんな家、なんで生まれてきたんだろ。神様がいるなら間違いなく私は見捨てられてるんだろうね。教室につくと親友の花音(かのん)がいちごミルクを手に寄ってきた。「おはよりぃ朝からよくがんばった」おとなっぽいかのんはめちゃくちゃモテるが性格がサバサバしてるから頼りがいがある私の家のこともある程度把握してくれている「ありがと。はやく卒業して家出たい。」涙声なりながら席に着く。「今日一限なんだっけ」「今日はねぇ数学」そんな会話をぼーっとしていると廊下から聞いた事も無いような黄色い悲鳴が飛び交う 『きゃー!!!』
「おー生徒会のお出ましですか」この学園の生徒会は4人で構成され、見たこともないようなイケメンたちの4人組がになっている。ものすごい人気でファンクラブなんかもあるんだとか。。
「朝から目覚める悲鳴だね」「相変わらずりいは興味無さそうね」イケメンだとは思うけど、悲鳴をあげるほどではないかなとは内心思っている「りいらしくていいけど」かのんちゃんはずっとつきあっている彼氏がいるから興味もなければ、見向きもしない。「てか、今年のクイーンはせりなちゃんが有力候補なんでしょ?」
クイーンとは生徒会の中に入る女の子のことだ毎年ひとり選抜されて生徒会の仕事をするらしい。せりなだとは思っていたけど。
「かわいいのは間違いないからね、笑」苦笑いでそう答えるので精一杯だった。――

(なぎside)
小さい時の記憶でも。忘れちゃダメで忘れたくない記憶がひとつある。将来絶対に嫁はこいつじゃなきゃ結婚しないと懇願するほど大好きだった女の子がいた。おれは、生涯かけてこの子を幸せにすると幼いながらに誓ったのは今でも変わらない。最後みた、あの絶望の泣き顔そんなことをするやつをおれは絶対に許さないとここまでやってきた。はやく迎えに行かなきゃ。りーちゃんまってろよ




(りいside)
かのんちゃんが彼氏さんとご飯食べる日、はやめに昼食を取り終わった私はひとり屋上へと向かった。最近増して母親とせりなからの当たりが酷い。まるでシンデレラのようなママははとお姉さんのようだ。血が繋がってるとは思いたくないが、定めというのは残酷だ
父親は単身赴任をしており、母とせりなのお城のような家だった。かといって父親が優しいかと言われれば全くそんな事はなくて、無関心と言った感じ。
「あんな家はやく出ていきたい」
小さい頃からずっともってるこのネックレスだけがなにかのおまじないかのように思えて握りしめた。
この屋上は普段生徒会のみ立ち入りが許されているが生徒会がいない時は在校生もいていい事になっている
ガチャ

突然扉が空いたかと思えば生徒会の御一行様たちが屋上にやってきた。やばっとばたばたと荷物をまとめるのもそこそこに急いで飛び出し教室にもどった


なぎside

カシャン
澄み透るほど肌の白い女の子が何かを落として屋上を後にした。

「なーんか落としてったけど」副会長の渋野葵(しぶのあおい)が広いあげたそれは俺のネックレスのペアの片方だった
「これ、なぎ!!!!!」葵が駆け寄ってきて俺もそれに気づく

これは、、幼い頃からおれが想い焦がれ今にでも狂いそうなほど愛している女の子が片方持っているはず、、

「りーちゃん、?」おれは後ろで何か言っている生徒会の声も耳に入らず駆け出していた
急いで走って追いかけたがもう教室に戻ったのかそれらしき女の子は見当たらない。


追いついた生徒会たちが声をかけてくる「なぎっちはなやすぎー、」書記の秋元 昴(あきもとすばる)が声をかけてくるまで我を忘れて探していた。
「まさかこの学校にいるとはな、、でも名簿には名前は無かったはずだしそれらしき子も見たことがないぞ」
葵が言うんだから間違いはないだろう「今年のQueenはまだ延期だ。りーちゃんがいるとわかった以上Queenを決定する訳にはいかない。」「えーかわいい女の子に逢えないのは悲しいよ〜」「むりだ昴。こうなった以上なぎはうごかないさ。」「だよねー、はぁ」



キーンコーンカーンコーン
「りいー帰るよ〜、今日も疲れたー」授業おわって準備をしている私にかのんちゃんが話しかけてくる「疲れたね〜今日も」「あれ?りいあんたネックレスは?」「?うそ?!ない落としたのかな……」
お気に入りのおまじないネックレスがなくなっている

あれがないと不安なのに……

「ごめん!かのんちゃん先帰ってて!お昼まではあったのどこかに落としてるかもしれないから探して帰る!」
「分かったー付き合ってあげたいんだけどバイトだから先かえる!きをつけてねりい」ばいばーいってした後に急いで校舎を探し回る
幼い頃大切な人にもらった記憶だが、幼少期の記憶はあまりないわたしは誰に貰ったかも忘れただ大切にしていた。家にいる間もしんどくても。お守り代わりだったのに………


「あ、あそこにならあるかな、」屋上にあがり昼間食べていたはずの場所に向かおうとした瞬間





「りーちゃん?」



後ろから声をかけられてびくっとふりかえるとそこには生徒会長の姿が

「え」
「俺だよりーちゃん。りーちゃんでしょ?」
私の名前どうして…………
「えっと、」「なぎだよ覚えてない?」


なぎ……なぎ、、、、な

その瞬間無くしてたはずの記憶が全て蘇ってきた






…りーちゃん大人になったら俺が迎えに行くから。絶対お嫁さんにするから。たすけにいくから。…………







「なぎくん…?」

淡い記憶から出てきた聞き覚えのある名前を口にする









「そうだよ!!」抱きしめてきたなーくんにびっくりしながら涙が止まらない





どうして私だってわかったの、、どこにいたの、、どうして見つけられたの、、
いろんな質問したいのに涙がそれをさえぎってやむことをしらない



「ごめん。迎えに来るの遅くなった」


なぎくんがあやまることじゃないのに。「みつけてくれてありがとう」なみだでぐしゃぐしゃな顔を笑ってみせるのに精一杯だった。