「かわいいだろ」
ふん、と鼻を鳴らすと、風音は悔しそうに顔を背けて「別に、普通じゃない?」と意地を張る。
そういうとこが可愛くねぇんだよ、お前は。
「ていうか、なにこれ。デート?」
「見ての通り」
「どういう関係なの…?」
めんどくさ。
はやく切り抜けて水族館行きたいんだけど。
俺が”近々恋人になる予定”と答えようとしたら、それを花音が遮った。
「た、ただのお友達ですっ」
「……ふーん」
ガン、と重い石が頭に直撃した感覚。
…ただの、お友達。
いや、そりゃそうだし、間違ってないんだけどさ。
俺の前でそれ言う? 花音。
…まぁ、知らないんだもんな。
俺がどれだけ花音のことを好きかなんて。



