「……あ」
花音を見つめながらのんびり歩いていたら、花音が突然前を向いて声を発した。
それにつられて俺も前を向いたけど。
…気づいたときには、すでに遅い。
たたたっと近寄ってくるその影は、俺がもう何十年と見続けた姿だった。
「みっくん!!」
この前、図書室で俺と花音の間に割って入ってきたときもそうだったけど、また怒ってるよ。
大きく声を張り上げて、俺たちの前に立ちはだかる。
…タイミング、最悪。マジで。
「誰…? この女」
顔をしかめる風音。
あぁ、そうか。風音はメガネ外した花音を見たことないんだよな。
俺が花音の肩を抱いて「小波花音だけど」と教えてやったら、あっさり風音の手によって引き離された。



