俺の手元にある紅茶ケーキをちらちら見て食べたそうにしてる花音に気づいて、その可愛さに悶えながら俺はケーキを一口大に切り分ける。
「はい、花音」
「へ…?」
「あーん、して」
…あ。
花音、顔真っ赤になっちゃった。
あまりに恥ずかしかったのか、目も潤んでいく。誰にも見せたくないんですけど、その顔。
フォークでケーキをさしていつでも花音に食べさせる準備はオッケー。
「こ、こんなところで…っ」
こんなところ、ってことは…家ならいいってこと? …花音とお家デート?
そんなの……俺、絶対我慢できねぇんだけど。
不純な考えを打ち消して、もう一度花音を見る。



