「…そんなに見られてたら、食べづらいんだけど…」
まぁ、そうだろうね。
でも俺、花音が言うみたいに優しいだけじゃないから。
ちょっと、意地悪してもいい?
「俺のことは気にせず食べて」
「気にせずって……」
不服そうな顔をしながら、抹茶ケーキを一口サイズに切り分ける花音。
なんかなぁ。
動きがひとつひとつ丁寧だよな。
育ち良いのがひと目で分かる。
てか、指スラッとしてて綺麗すぎ。
折れそうなくらい細い腕も、透明感のある白い肌も。
俺をトリコにするには、じゅうぶんすぎる。
「っ…! おいしい!」
頬に手を添えて心から感動している顔をする。
オーバーリアクション…でも可愛い。



