ケーキが届くと、また花音は目を輝かせる。
普段大人しくて引っ込み思案な花音しか見てないから、こんなふうに子供っぽい表情ははじめて。
…だからか、すごいドキドキする。
見たことない、花音の表情。
「尊くん、おいしそうだよ」なんて笑う、その姿も。無邪気すぎて、俺には汚せない。
小さいけどふんわりとした甘い声で俺の名前を呼ぶのも、ぜんぶ、無理だし…。
あー、なんか、俺。
このまま花音のこと好きでいてもいいのかな。
そのうち愛が爆発して大変なことになりそうなんだけど。
頬杖をついて花音のほうを見つめていたら、彼女は照れたように頬を染める。



