「……っ」




す、っと尊くんの男の子らしい手が、わたしの拳の上に重ねられる。



火山だったら噴火してるレベルで、顔熱いから…ほんと。



だけどそんなのは束の間。





「おーい尊っ、お前先帰んなよー!」




すぐに遠くから絃くんの声が聞こえて、パッと離されてしまった。



もっと触れていてほしかった…なんて言ったら、引かれるかな?




だとしても。
尊くんは、どういうつもりでわたしの手に触れたんだろう。
気まぐれだろうか。



…そうだとしたら、尊くんは罪深い男の子だ。




おかげで、わたしはこんなに胸が張り裂けそうになってるのに。





「…花音、月曜日空けといてね」





そう、小さく隣で声が聞こえた。



月曜日…。
今日が土曜日だから、明後日。
振替休日で学校が休みの日だ。




…どうしよう、どうしよう!
小波花音、16歳。
生まれて初めてのデートの相手が、学年一のモテ王子である、芙遥尊くんに決まってしまいました…。






──いつだってきみが、
わたしを照らす唯一の一等星だということ。