「花音、体調悪そうだけど大丈夫?」
「いや……胃が痛い」
「あはは、花音運動苦手だもんね」
そうなんです。
体育祭なんて、なくなればいいと思ってます。
楽しそうなこころちゃんと、この空間で一番絶望しているわたし。
この対比、どうにかしてよ…。
「超楽しくなさそうな人、発見」
今のわたしにぴったりな発言をして近寄ってきたのは、絃くん。
楽しくない。
楽しめるわけない…。
「絃くーん、選抜がんばってね~」
「ありがとー」
遠くの方から女の子に応援されて、スマートに笑顔で返しちゃう絃くん。
そうだ。
絃くんも、尊くんに負けないくらい人気者なんだよね。