「あ、あの……尊くん」


「ん?」




イスに座るわたしが尊くんを見上げる、いつもの図。
図書室のカウンターって、すこし高いんだよね。





「わたしたちの関係って、なんなんだろう」


「……関係?」





教室でもたまに話したりはするけど。
それ以上のことは何もないし、プライベートで遊んだりとか…たぶん、ありえないし。





「そりゃ、友達じゃね」




カウンターに腕をついてにっと笑う尊くん。
その言葉に、やけに嬉しくなった。



…友達。
そっか、友達だと思ってくれてるんだ。




じゃあ、わたしも尊くんのことは友達だと思ってていいんだよね。
…やった。こころちゃん以外の友達は、高校入ってからはじめて。





「へへ…」




嬉しくて俯きながら笑っていたわたしは。
尊くんが少しだけ悲しそうな顔をしているのに気づかなかった。






──わたしときみの距離感、
  イコール、友達。