【完】溺愛禁止令






「え、なんでコンタクトにしないの?」


「…い、いや。わたし、目立ちたくないので」




コンタクトなんて、絶対しない。
そのために前髪も伸ばしてるのに。




わたしなんて、一生地味なままでいい。




そう思ってるのに。





「俺の前ではたまにでいいからメガネ外してよ」





…どうやら、尊くんは許してくれないらしい。
な、なんで? こんななんの特徴もない顔の女に…。





「…もう、見世物じゃないですよ。返してくださ…」


「んー。敬語やめてくれたら返してあげる」


「…えぇ?」





もう一度尊くんを見上げるけど、ぼやけてて顔の輪郭も分からない。
どんな顔してるんだろう…。