【完】溺愛禁止令







「──……どうしようもなく、すきなの…っ」





だけど、最後まで目を見れなくてごめんね。
涙が一筋、頬を伝った。





…好き。
大好き。




だから、尊くんも同じ気持ちで返してくれたら。




…そのときは、わたし。





「……あのね、花音」


「う、うん…」


「俺、最初は花音のこと物静かで控えめな子だなぁって思ってた」





…それって、図書室で二人きりになった、あの日以前の話?





「ほら、俺には風音ってうるさい幼馴染がいたから、珍しかったんだよ。女の子なんてみんな同じようなもんだと思ってたしさ」





…千代森さんね。
うん、確かに…。



あの子が小さいころから横にいたら、そう思っちゃうかも。