【完】溺愛禁止令







苦しかった今までの想いぜんぶ、尊くんと共有したいって思うのはワガママ…なのかな。





芙遥尊くん。
去年は視線を交えたこともなかった。
二年生になって同じクラスになったばかりの男の子。




誰よりも優しくて、意地悪で、だけどどこか甘くて。



尊くんのことが世界で一番輝いて見えたのは、きっとずっと、わたしは恋をしていたから。



初恋もまだだったし、地味な自分を過小評価して自信なかったから、それを恋だって気づくまでに何か月もかかった。





…だけど、自分に自信を持っていいって最初に教えてくれたのは、尊くん…あなたなんだよ。





もう、迷わない。
…迷いなんか、ない。




尊くんの彼女になりたい、わたし。




息遣いまでも震えてるけど。
ちゃんと言うから、聞いてて、最後まで。
…小さく、息を吸い込んだ。