「正直、停学じゃ生ぬるいけどな」
…隣にもっと恐ろしいこと言ってるひといた。
「まぁ、そこは大人になって我慢するべきだよ、尊」
「わかってる」
「女の子とか関係なしに尊なら殴っちゃうかと思ったけど、大丈夫だったね」
え。
そんなに物騒な人間なの?
尊くん…。
と、彼の顔をのぞき込むと。
「……語弊のある言い方すんな、絃。花音に何かあったらただじゃおかないってことだから」
うーん。
つまりは…?
尊くんは友達想い、っていう解釈でいいのかな?
…わたしだけなのかなぁ。
友達やめたいって思ってるの。
なんだか切なくて、胸が締め付けられた。
「花音っ、今度美味しいケーキ食べに行こうねっ」
「…うん!」
絃くんと尊くんが立ち話している横で、わたしはこころちゃんに笑いかけた。
大丈夫。
千代森さんに心配されなくても、問題ないくらい幸せ者だ、わたし。
──世界で、きみだけが唯一
輝いて見える、恋の魔法。