「だって花音がっ…絃くん、花音無事だったよ!」


「見たらわかるよ」





こころちゃんに向かって愛おしそうに微笑みながら、床に自分とこころちゃんの分のカバンを置いて、その視線はわたしに移された。





「もう平気? 花音ちゃん」


「…うん。心配かけてごめんね」


「友達なら当たり前でしょ。あの子たちは停学処分になるかもだって」




あの子たちというのは、もしかしなくても千代森さんたちのことだろうけど。
もうそんなことまで知ってるの?




「あぁ、尊に吐かせたから」


「……お、恐ろしい」


「やだなぁ。花音ちゃんを守るためだよ」




…うん。
でも、ありがとう。
やっぱりわたし、良い友達に恵まれたなぁ。